iPhoneでキーボードのフルアクセスをオンにできないときに疑うところ
「フルアクセスを許可」のスイッチが灰色のまま動かない、押しても一瞬で戻ってしまう。原因がキーボードアプリ側にあることはほとんどありません。本命はスクリーンタイムの制限と、組織による端末管理の二つです。
キーボードを追加して、貼り付けボタンなどを使おうとフルアクセスのスイッチを探しにいったところ、スイッチそのものの様子がおかしい。灰色になっていてタップに反応しない、あるいは一度オンになったように見えて、数秒後には静かにオフへ戻っている。こうなると、そのキーボードアプリが壊れているように見えます。ただ、実際にアプリ側の不具合であることはほとんどありません。アプリを疑う前に切り分けておくべき原因が二つ、それと頻度は低いものの単に画面が固まっているだけ、という三つめがあります。
スイッチがあるはずの場所
フルアクセスの設定は、設定App →「一般」→「キーボード」→「キーボード」にあります。この画面には追加済みのキーボードが並んでいて、右端の並べ替え用のハンドルではなくキーボードの名前そのものをタップすると、そのキーボード専用の小さな設定画面が開きます。スイッチは「フルアクセスを許可」の一つだけです。名前をタップしても何も起きない、あるいはスイッチはあるのに薄く表示されて反応しない場合は、キーボードが許可を拒んでいるのではなく、この画面より上位にある何かが設定変更そのものを止めていると考えてください。
スクリーンタイムの制限が効いている
個人の端末でいちばん多い原因が、スクリーンタイムの中にある「コンテンツとプライバシーの制限」です。これは端末上でどこまで設定を変えられるかを制限する仕組みで、アプリの削除可否や表示できるコンテンツと並んで、キーボードまわりの変更も対象に含まれます。この制限が有効になっていると、何度タップしてもフルアクセスはオフのままです。キーボードの側に問題があるのではなく、端末が設定の変更そのものを受け付けていない状態です。
確認先は、設定App →「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」です。制限がオンになっている場合は、その中で何が許可され何が許可されていないかを一通り見てください。キーボードに関する項目が許可しない側に倒れていれば、それが直接の原因です。戻すにはスクリーンタイムのパスコードが必要になります。自分で設定した端末なら簡単ですが、保護者がパスコードを持っている家族共用の端末や、以前に誰かが設定したまま引き継いだ端末では、自分だけでは解除できません。パスコードを設定した人に制限を変えてもらうまで、スイッチは失敗し続けます。
組織が管理している端末である
会社や学校から支給されたiPhoneでは、スクリーンタイムとはまったく別に、端末管理の仕組みが入っていることがあります。組織側はサードパーティ製キーボードそのものを禁止する構成、あるいはフルアクセスだけを禁止する構成を配信でき、その方針は設定Appでの操作より優先されます。端末側に回避策はありません。制限が、利用者が変更できるものとして端末に保存されているわけではないからです。自分がこれに当たるかどうかは、設定App →「一般」→「VPNとデバイス管理」で確認できます。ここに管理用のプロファイルが並んでいれば、この設定を握っているのは自分ではなく管理者です。手元でこれ以上調べるより、管理部門に問い合わせるほうが早く片づきます。
本当にスイッチが固まっている場合
上の二つのどちらにも当てはまらず、制限も管理プロファイルもない端末で、スイッチだけがおかしいこともあります。オンに見えているのにキーボードの挙動はオフのまま、あるいはタップした一秒後には目に見えて元へ戻る、といった症状です。頻度は高くありませんし、たいていは自然に直ります。Appスイッチャーから設定Appを一度終了して開き直すか、端末を再起動してください。そのうえで、しばらく開きっぱなしだった画面ではなく、設定App →「一般」→「キーボード」→「キーボード」→ キーボードの名前、とあらためて開き直した画面で試すのが確実です。
そもそもオンにする必要があるかを確かめる
切り分けを続ける前に、やりたいことに本当にフルアクセスが要るのかを確認しておく価値があります。文字入力、自動修正、変換候補、テーマ、キー音、各言語のキーボードは、作りの良いキーボードであればスイッチをオフにしたままでも動きます。フルアクセスが正当に必要になる場面は思われているより狭く、たいていはクリップボードを読むボタンか、端末の外へデータを送る同期系の機能に限られます。やりたかったのが普通に文字を打つことだけだったなら、直すべき問題は最初から存在しなかった、ということもあります。
よくある質問
「フルアクセスを許可」が灰色で押せません。
ほとんどの場合、キーボード側ではなく、その上位にある制限が原因です。まず設定App →「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」を確認し、次に設定App →「一般」→「VPNとデバイス管理」を見てください。スクリーンタイムか組織の構成のどちらが変更を止めているかがわかります。
オンにしたのに、勝手にオフへ戻ってしまいます。
コンテンツとプライバシーの制限が有効で、変更を受け付けずに戻している状態がほとんどです。スイッチが一瞬動いたように見えるので別の症状に感じますが、まったく動かない場合と原因は同じです。制限を解除するにはスクリーンタイムのパスコードが必要になります。
文字を打つだけでもフルアクセスは必要ですか。
いいえ。文字入力、自動修正、変換候補は、作りの良いキーボードであればオフのままで動きます。フルアクセスが要るのはクリップボードを読む機能や、端末の外へデータを送る機能だけで、それ以外はオフのままで問題ありません。
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