iPhoneでキーボードの音と触覚フィードバックをオンにする方法
キーのクリック音と、指に返ってくる触覚は別の設定です。同じ画面にありながら消音スイッチの扱いが違うため、片方だけ効かないという相談が絶えません。それぞれの場所と挙動を整理します。
iOSのキーのフィードバックには、耳に聞こえるクリック音と、指に返ってくるタップ感という二種類があり、この二つは独立して制御されています。設定上は同じ画面に並んでいるのに挙動がかなり違うため、「音は鳴るのに振動しない」「触覚だけ効かない」といった相談がよく出てきます。まず、どちらがどこにあるのかをはっきりさせておきます。
キーボードのクリック音
設定App →「サウンドと触覚」→「キーボードのフィードバック」を開き、サウンドをオンにします。以前のiOSでは同じ設定が「キーボードのクリック」という名前で、「サウンドと触覚」の画面に直接置かれていました。名前と場所が変わっただけで、役割は同じものです。
ただし、この設定をオンにしたあと、実際に音が聞こえるかどうかは、さらに二つの要因で決まります。
- 本体側面の着信・消音スイッチ。キーボードのクリック音はシステムサウンドの一種で、着信音の扱いに従います。端末を消音側に倒すと、設定がどうなっていてもキーボードは静かになります。
- メディア音量ではなく着信音量。何も再生していない状態で音量ボタンを押すと、調整されるのは着信音量のほうで、ここで効いてくるのはそちらです。
この二つを合わせると、「オンにしたのにまだ鳴らない」という相談のほとんどが説明できます。設定はオンだけれど端末が消音になっている、というだけの話です。逆に言えば、音を出したい場面では消音スイッチを戻して着信音量を上げる、この二手で終わります。
キーボードの触覚フィードバック
場所は同じで、設定App →「サウンドと触覚」→「キーボードのフィードバック」→ 触覚です。こちらはどのiPhoneでも初期状態ではオフになっています。自分の端末にはその機能がないのだと思い込んでいる人が意外に多いのですが、単に既定でオフなだけです。
音と違って、キーボードの触覚は消音スイッチの影響を受けません。消音モードのままでも働くので、会議中や静かなオフィスではこちらのほうが実用的です。動作にはTaptic Engineが必要で、iPhone 7以降の機種に搭載されています。触覚の項目が灰色になっている場合は、設定App →「アクセシビリティ」→「タッチ」→「バイブレーション」がオンかどうかを確認してください。これは端末全体の触覚を止めてしまう大元のスイッチです。
なお、キーボードの触覚を有効にすると、キーを押すたびにTaptic Engineが動くため、バッテリーの消費はわずかに増えます。実用上は誤差の範囲ですが、Appleが初期状態でオフにしている理由はここにあります。一日中文字を打つ使い方をするなら、頭の片隅に置いておくとよい点です。
なぜ二つの挙動が食い違って感じられるのか
音は聞こえる通知の一種として扱われ、したがって着信の設定に従います。触覚はタッチのフィードバックとして扱われ、通知ではないので着信の設定に従いません。これは不具合ではなく意図的な区別で、一度この線引きを知ってしまえば、混乱のほとんどは消えます。静かにしたいが入力の手応えは欲しい、という場面で音だけを落とせるのは、この設計のおかげでもあります。
鳴らないときに見る順番
- 消音スイッチが消音側になっていないかを確認します。ここで解決する場合が最も多いです。
- 何も再生していない状態で音量ボタンを押し、着信音量が下がりきっていないかを見ます。
- 設定App →「サウンドと触覚」→「キーボードのフィードバック」で、サウンドと触覚のそれぞれのスイッチを確認します。
- 触覚だけが灰色なら、設定App →「アクセシビリティ」→「タッチ」→「バイブレーション」を確認します。
- それでも直らない場合は、集中モードや、ほかのアプリが音声を使っている状況が絡んでいないかを疑います。
サードパーティ製キーボードで音を変える場合
Appleが用意しているクリック音は一種類だけです。サードパーティ製キーボードはこれを自前の音に差し替えることができ、それ自体が導入の主な動機になっていることも珍しくありません。ちなみに、打鍵音の名前としてよく見かける青軸、赤軸、茶軸といった呼び方は、もともとメカニカルキーボードのスイッチの分類で、それぞれ明確なクリック感、静かで引っかかりのない押し心地、その中間という違いを指しています。
技術的に知っておく価値のある点が一つあります。キーボード拡張は、特別な許可なしにシステムサウンドを鳴らせます。この仕組みはオーディオセッションもフルアクセスも必要としません。そして鳴らされる音は、Appleのクリック音とまったく同じように消音スイッチに従います。つまり、独自の音を持つキーボードだからといって余分な許可を求める理由はありませんし、消音にしてある端末で不意に音が出て気まずい思いをすることもない、ということです。
よくある質問
設定をオンにしたのにキーボードの音が鳴りません。
端末が消音モードになっている可能性がほぼ確実です。キーボードのクリック音はシステムサウンドで、本体側面の着信・消音スイッチに従います。スイッチを戻したうえで、メディア音量ではなく着信音量を確認してください。
消音モードでも触覚フィードバックは働きますか。
働きます。触覚は通知ではなくタッチのフィードバックとして扱われるため、消音スイッチの影響を受けません。静かにしていたい場面で入力の手応えだけを残せるので、実用的な選択肢になります。
触覚の項目が灰色で選べません。
端末にTaptic Engineがない機種であるか、設定App →「アクセシビリティ」→「タッチ」→「バイブレーション」がオフになっているかのどちらかです。後者は端末全体の触覚を止めてしまう設定なので、そこをオンに戻すと選べるようになります。
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