キーボードのテーマに鍵がかかっているのはなぜか
テーマに南京錠のマークや価格が付いているのは、アプリのダウンロードは無料でも全部を使えるわけではない、という業界で一般的な形です。ただし鍵の中身には性質の違う二種類があり、支払う前に見分けておく価値があります。
スクリーンショットで見た一つのテーマ目当てでキーボードアプリを入れ、設定で追加し、テーマの一覧を開く。すると目当てのものに小さな南京錠が付いていたり、チェックマークがあるはずの場所に価格が出ていたりします。アプリ自体は何の確認もなく無料で落ちてきた直後なので、だまされたように感じるかもしれません。多くの場合それは誤解で、キーボードアプリという分野に共通する具体的な収益の形です。悪意を前提にするより、仕組みとして理解しておくほうが判断しやすくなります。
無料でダウンロードできるのに一部が有料な理由
キーボード拡張は一度作って終わりのものではありません。テーマは一つごとに配色、キーの塗り、押下状態、角の丸みを設計し、iOSが更新されるたびに動作を保ち続ける必要があります。効果音は一つごとに録音または合成して調整しますし、発光の演出は一つごとに、非常に狭いメモリ上限の中で動く小さなアニメーションです。どれも無料で生まれるものではありません。一方でApp Storeでは、ダウンロードそのものに課金する手段がほとんど機能しません。導入の段階で無料であることが期待されており、有料のダウンロードは単純に試す人の数を大きく減らします。単独でも実用になる無料の範囲と、残りを解放する有料の枠に分けるのは、この二つを両立させる方法として広く採られています。
「ロック」には性質の違う二種類がある
南京錠のマークそのものは、次のどちらの仕組みなのかを教えてくれません。そしてマークの有無より、この違いのほうがはるかに重要です。
- 買い切り。一度支払えば、その鍵の向こうにあるものはそれ以降ずっと解放されたままです。更新もなく、定期的な請求もなく、うっかり放置しても失効しません。
- サブスクリプション。解放された状態を保つために、月ごとや年ごとといった周期で支払い続けます。解約したり期限が切れたりすれば、その内容は再び施錠されます。
どちらもデジタルコンテンツの正当な販売方法で、片方が本質的に悪いということはありません。実際に不満として語られるのは、支払うこと自体ではなく、一方だと思っていたらもう一方だったという食い違いです。しかも定期的な請求に気づくのが一度更新されたあとになる、という形で表面化します。
支払う前にどちらかを確かめる方法
アプリ側の説明文を信用する必要はありません。App Store自身が、インストールする前の製品ページで独立して開示しているからです。
- App Storeのそのアプリのページを開き、「App内課金」と書かれた欄まで下にたどります。
- そこに並んでいる項目が、アプリ内で解放を求められる対象そのものです。名称と価格が一つずつ表示されます。
- サブスクリプションは自動更新であることが明示され、価格の横に週・月・年といった請求の周期が付きます。購入前の開示がiOSで義務づけられているためです。
- 買い切りは、周期の付かない単独の価格として表示されます。繰り返される請求が存在しないので、開示すべき周期がありません。
この欄を読むのはレビューを読むより短時間で済みますし、レビューと違って出どころがAppleの決済の仕組みそのものなので、宣伝文句のように実際より気前よく見せることができません。すでに支払ったあとで確認したい場合は、設定Appの一番上にある自分の名前を開き、サブスクリプションの一覧を見れば、継続課金が存在するかどうかがはっきりします。
フルアクセスとはまったく関係がない
混同しやすい組み合わせではあります。キーボードはフルアクセスという権限を求め、テーマは別途支払いを求める。この二つが「キーボードに何かを与える場面」としてひとまとまりに見えてきます。しかしiOS上ではまったく別の系統で、担当している部分も違い、片方をオンにしてももう片方には何の影響もありません。フルアクセスはキーボードごとに設定できるスイッチで、ネットワークへの接続とシステムのペーストボードを扱います。アプリが何かを販売しているかどうかとは無関係に存在する仕組みです。App内課金はAppleの決済の仕組みで、ゲームの追加要素やニュースアプリの定期購読と同じものが動いています。フルアクセスを許可しても有料のテーマは解放されませんし、拒否しても無料だったテーマが施錠されることはありません。
よくある質問
キーボードアプリのテーマに南京錠や価格が付いているのはなぜですか
多くのキーボードアプリが、内容を無料の範囲と有料で解放する範囲に分けているためです。テーマも効果音も発光の演出も、追加するたびに制作と維持の費用が継続して発生し、無料のダウンロードだけでは賄いにくいという事情があります。一般的な販売の形であり、アプリの不具合ではありません。
テーマの解放が買い切りかサブスクリプションかを見分けるには
インストールする前に、App Storeの製品ページにある「App内課金」の欄を確認してください。サブスクリプションは価格の横に週・月・年といった請求の周期が表示されます。Appleが購入前の開示を義務づけているためです。買い切りは周期の付かない単独の価格として表示されます。
フルアクセスをオンにすると有料のテーマが使えるようになりますか
なりません。フルアクセスとApp内課金はiOS上の別々の仕組みで、互いに関係がありません。フルアクセスはネットワーク接続とシステムのペーストボードを扱うキーボードごとの権限で、有料コンテンツの解放はこのスイッチの状態と無関係にAppleの決済の仕組みを通ります。
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